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第43話  

この言葉が発せられると、虚栄心の強い柳巧美はすぐに怒り狂った。

 「この疫病神、嫉妬で理性を失ったの?私の彼氏が数億円も払ったものが、どうして偽物なんかになるのよ!」

 「いい加減なことを言うな!あなたの口を裂くぞ!」

 言うや否や、彼女はお嬢様の立場を忘れて、足を踏み鳴らしながら篠田初に突進した。

 篠田初は動じることなく、軽やかに体を横にずらし、柳巧美は空振りし、ひっくり返って地面に落ちた。

 その滑稽な光景に、会場は爆笑の渦に包まれた。

 松山昌平は無表情で、怒りを湛えた表情が嵐の前の静けさを示していた。

 篠田初、この女はまた何をしているのか?

 こんなに誘惑的な格好で目立つことも問題だが、今度はステージで親戚の喧嘩をして、明日の新聞の一面をどうなるかもわからなかった。

 司会者は場を取り繕おうと必死だった。

 「初さん、これは雰囲気作りの冗談ですか。それとも......このペンダントが偽物である証拠をお持ちですか」

 「もちろん証拠があります」

 篠田初はそう言って、手に持っていたレーザーポインターを取り出し、自信満々に観客に向かって話し始めた。「本物の初心は、細かく研磨されており、水晶の内部は十三回切り分けられています。それが初心の十三画にぴったり合っています。だからレーザーポインターで照らすと、外部に初心という文字が投影されるんです。それは、小国の国王が自分の養女に対する愛情を表すためです」

 「だから、このペンダントが本物かどうかは、レーザーポインターで簡単にわかります」

 観客は興味津々で聞き入り、一部は初心についての噂を耳にしたことがあると言って賛同した。

 篠田初はすぐにレーザーポインターを取り出し、展示ボックス内のペンダントを照らした。

 結果は明らかだった。もちろん、文字は一切投影されなかった。

 「わあ、結局偽物だったんだ!」

 「へえ、慈善のために偽物を出すなんて、虚栄心のために節操も捨てたね!」

 突然の反転により、かつて自信満々だった柳巧美には非難の声が集まった。

 柳巧美は顔が真っ赤になり、歯を食いしばりながら、伊達明史に詰め寄った。「この疫病神が言ってることが本当か?偽物で私を欺いたの?」

 「ごめん、巧美ちゃん。僕もそのことを知らなかった。ペンダントは本物ではないけど、それでも数千万払
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